バンプの音楽との出会い
中学生の頃に彼らの音楽に初めて出会いました。テレビの番組でボーカルの藤原が「俺は市民権を得るために音楽をやっている。」と発言していて、リアル中二病中だったこともあり、「市民権」という言葉がなんとも甘美な響きのある言葉に聞こえました。そこから彼らの音楽にはまり、「The living dead」というアルバムからずっと聴き続けてきました。バンプの曲に出てくる歌詞の主人公は現実はそんなに甘くはなく、素晴らしい世界ではないということを理解しつつも、それでもその現実を生き抜くために常に戦いもがき苦しんでいます。そのような歌詞が多くのリスナーの心に響き、その人たちを支え、鼓舞してくれている。まさにペインキラー(鎮痛剤)のような役割を果たしているのではないでしょうか。
彼らの音楽は自分にとってもペインキラーの役割を果たしくれていました。思春期真っ只中の中学、高校生の頃は毎日のようにバンプの音楽を聴いている時期がありました。しかし、大人になり日々仕事に追われる毎日で1つ1のことに立ち止まって深く考えるようになることは少なくなりました。今まで生きてきた経験から感傷に浸っていても時は流れその痛みは忘れてしまう。大人になったようで感受性がただなくなってしまっただけかもしれません。なので、バンプの音楽を昔ほど真剣に聞くことは無くなっていました。そんな、通勤中に聞いているラジオで「RAY」が流れました。
優しい光に包まれた曲「RAY」
4月に発売されたアルバム「RAY」に収録されているアルバムタイトルと同名の「RAY」、初めて聞いた時の感想は、曲全体が優しい光に包まれたような曲でした。そして、最後の歌詞に久しぶりに心が打たれました。
◯×△どれかなんて 皆と比べてどうかなんて
確かめる間も無い程 生きるのは最高だ
あまり泣かなくなっても ごまかして笑っていくよ
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしないBUMP OF CHICKEN 「RAY」より
生きるのは最高だ、こんなにもストレートなポジティブな表現をバンプの歌から聞けることに驚きました。バンプの歌に自分の痛みを重ねていたリスナーはこの一言に救われたのではないでしょうか。今までバンプの曲を聞いて個々の世界で闘ってきたリスナーたちへのアンサーソングなのではないでしょうか。そう、闘って傷は増えても生きるのは最高だ、この世界は生きる価値があると
「生きるのは最高だ」と言い切った彼らは今後新しい歌を作れるのだろうかという不安も若干あります。ボーカルですべての曲の作詞をする藤原基央。これからもっとストレートに生きる喜びを歌にしてほしい気もします。
とにかく、BUMP OF CHICKENのアルバム「RAY」は全曲通して優しい光に包まれた曲ばかりで、リスナー自身にも優しい光を心の中に灯してくれます。
ray
BUMP OF CHICKEN
2014/03/12 ¥250
[RAY]
3月に発売されたバンプの最新アルバム。現在彼らはこのこのアルバムを引っさげてのWILLPOLISツアー中です。
[THE LIVING DEAD]
WILLPOLISツアーではこのアルバムから「グロリアスレボリューション」も披露されました。
コメント